1月26日
アンダンテラルゴのTMDという接点のクリーニング剤がオーディオ誌上で好評を博しています。
オーディオアクセサリー 2017冬号No.167, P187
ステレオ2018 1月号P70
オーディオ仲間のM氏も評論家諸氏と同様絶賛しておられ、先日ご来臨の際にケーブルとケーブルの入出力端子に処理をしてもらいました。そこまでは良かったのですが、DACの入力部に差し込んであるインフラノイズ社のDACU-500の入出力端子に処理を施したところ、音が出なくなりました。拭き取りを重ねても、時間をおいても、DACを替えても同様で、メーカーに送ってみてもらったところ、メーカーの見解は断線が起こっているということでした。
この種の接点賦活剤は過去にも経験していますが、種々問題があって原則使用しないことにしており、日本薬局方グレードの消毒用アルコールを含ませた長繊維の布で拭くことを実施してきました。今回は現役時代に化学を専門としてきたことを忘れ、記事やメーカー資料をよく読まずにうかつに処理を施してしまいました。本来、化学処理はそれ自体まったく何の影響もないということはあり得ないことで、この種の処理剤は成分や処理の反応に関する情報は秘匿されていますので、どういったことが起こるのか判断のしようがありません。拭き取ることが指定されていること自体、副作用が懸念されるものです。純度の高いアルコールはそのまま揮発してしまいますから、作用が残ることは、まずありません。この製品の使用にあたっては、構造が単純なものは比較的安全だとは思いますが、複雑な電子回路に近い接点への適用は注意した方が良いと思います。以上から、接点のクリーニングは従来のやり方を維持することにします。