11月4日
古楽アンサンブルのアントネッロの演奏会に行ってきました。演奏曲目は次のとおりです。
エソポのハブラス(イソップ寓話)より(お話)
『アリとセミ』『ウサギとカメ』『犬と肉』『牛とオオカミ』『出陣の法螺貝』『カラスと狐』
エルヴァシュ歌曲集より:恋人よ、あなたを見る時/緑の野原にため息をつきに来てちょうだい/君の町へ
サカラメンタ提要&ホアン・デ・ウレーデ:大いなる秘蹟ゆえ
スペイン古謡:牛の世話をしてくれたら
ポルトガル古謡:ああ、美しい恋人よ
天草の子守唄:おろろんおろろん
ホアン・ポンセ:めでたし澄みきったワインの色
王宮の歌曲集より:僕のかわいいヒョウタンちゃん
エステバン・ダサ:あなたから笑顔と元気を奪ったのは誰?
ウプサラの歌曲集より:キスして抱きしめて
エソポのハブラスというのは、イソップ寓話のことで、宣教師とともに印刷機が渡来し、イソップ寓話が和訳されて、天草などで印刷に供されたとのことです。その逸話にイソップ寓話を織り込みながら、日本の女とバテレンが掛け合いのポルトガルやスペインの古謡などの歌と芝居を行い、さらに河童伝説が頭を剃ったバテレンから発生したとか、西洋のダンスが天草に伝わって地域の踊りとなって徳島に伝わって阿波踊りになったとかのことも織り込んだ楽劇風の構成でした。興味深かったのは、コルネットとか、クルムホルンとか、バロックより古い年代のリコーダーとか、バロックハープの生の音が聴けたことでした。コルネットの音色は現在のコルネットに似ていますし、バロックハープは現代ハープよりは琴に似た音がしましたし、リコーダーの一つは尺八のような音がしました。演奏されたルネッサンスの器楽は、単調なものかと予想していましたが、思ったより多彩な表現力のある音楽でした。